和歌
女の人は多かれ少なかれ, 結婚に対してある程度の夢をもっているものだと思う. 例えば,結婚に至る過程,プロポーズ,結婚式,そしてその後と, 夢をもつ場面はたくさんあると思う. 別にアンケートをとったわけでもなくて, そうなんじゃないかなと,勝手に想像しているだけなのだけれどね.
さらに僕の勝手なイメージでは, 男性は女性ほど具体的な夢をもっていない. 女性の夢を慮って壊さないようにするのがせいぜいだろう. もしかしたら,男性一般には当てはまらなくて, 僕自身だけの話なのかもしれないけれど.
ただ最近,ちょっとした夢がでてきた. プロポーズの言葉を,和歌で贈ってみたい. もちろん自分が詠った歌が良いけれど, 無理ならどこかからの引用でもしかたない. 和歌用の短冊に達筆な(!)字で書く. 一緒に贈るのは,その歌にマッチした花.
夢と言うよりは妄想と言った方が正確かも知れない. こんな洒落に付き合ってくれる人が,いるかどうかも分からないし. でも,日本人ぽくていいじゃないですか.
道徳
食事のあと、すぐに研究室に帰るのが嫌だったので、 飯屋の近くの本屋に行ってみた。 そこでふと目に止った本がある。「武士道」というタイトルの本だ。 5千円札でお馴染の新渡戸稲造先生のこの本、 戦前に出版され、当時大ベストセラーとなり、 アメリカルーズベルと大統領も感激して友人に配ったほどの名著らしい。
序文を少し読んでみると、だいたいこんなことが書いてあった。 「日本では宗教教育を行なわない、といったら西洋人が驚いた。どうやって道 徳を教育しているのですかと。それはやはり武士道なのではないか..」 文章はたぶん違っているが、こんな内容だったと思う。 本が書かれた当時、武士という階級はなくなっており、 武士道を体現している人は少なかったに違いないが、 それでもやはり、武士道が道徳の根本にあると考えた。 確かに、道徳として考えたとき、 日本に広く広まっている仏教、神道、キリスト教では、 日本人の道徳として言うことはできないと思う。
さてところで、 イギリスやアメリカの道徳の基本は非常に簡単だ。キリスト教しかない。 他の国々については知らないけれど、ローマ法王がいたとか言う話を聞くと、 おそらく同様にキリスト教なのだろう(もしかしたらイスラム教かも知れな いが)。 絶対的な権力をもつ神(など)が、これをしてはいけない、これをせよ、 と言えば、矛盾のない説得力のある道徳規範となるに違いない。 「人をなんで殺しては行けないの?」などという質問にすぐに答えられ るだろう。神を根拠とした説明をすれば良いのだから。
ひるがえって、現代日本ではどうだろう。 少し前に「何で殺してはいけないのか」という同様の質問に、 日本の知識人がすぐに答えられなかったということで評判になった。 このような質問を考え付くということ、そしてそれに答えられないということ。 これがつまり日本での道徳的な基軸がないことを示しているのだと思う。 アメリカにより戦前日本を否定され、 それによりカビの生えたような印象をもたせる「武士道」は、 一般的に道徳規範として認められていない気がする。
でも武士道、いいじゃないですか。 武士でも何でもないけれど、志してみませんか?