自分の役割
最近私は不忍池周辺に通勤しています。 不忍池を含め、上野公園周辺を散歩するのがなかなか気持ちよく、 昼休みには外に出かけて気分転換をしています。
不忍池にはボート池があったり蓮池があったりするのですが、 (上野公園の一部であるということで分かるように)路上で生活している人々もいたりするのです。 その人々がどのような経緯によってその場所にたどり着いたか分かりません。 しかし、していることは共通しています。 この寒い冬ですから、タンポポのように日を浴びていたり、 ダンボールの囲いの中でうずくまっていたり。 つまり、じっとして体力を蓄えているのです。
そのような中に一人、他の人とはまったく違う行動をしている人がいました。 その人は一心不乱に空き缶をつぶしているのです。 目の前にそびえる缶の山から一つ手にとります。 硬いスチール缶もやわらかいアルミ缶も関係ありません。 右手に石を持ち、地面に置いた缶を何度も打ち付け、平らにしていきます。 そして彼の脇にはそんなつぶされた缶の山が積み上げられていくのです。
彼は一言も発しようとしませんでした。歩く人を見ようともしません。 完全に彼の世界に入ってしまっていました。 だけど、強烈なメッセージが私に届いた気がします。 「私にもやれることがあるんだ。だからやっているんだ」 そんな彼の姿が忘れられません。
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